一放浪者の政治的発言

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YAHMAN

ニュージーランドの今

ニュージーランドでは、外国人労働者を含めた給与保証、休業補償セットのロックダウンで COVID-19はほぼ終息し、多少不自由はありながらも徐々に元の生活に戻りつつあります。


僕自身は急に学校もなくなり、家に引きこもる生活が彼此8週間ほどありました。


ほとんど人とも話さず、週2の買い物以外は家に篭りっきり、今考えると恐ろしく長く退屈そうな期間に見えますが、それでもそれとなく楽しんで過ごせていたのは事実です。


ロックダウン、自粛期間中は、普段あまり気をかけない事に関心が湧いたり、勉強する時間ができたりしたのではないでしょうか。


世界的にも、家族との時間、働き方の多様性、ライフワークバランスなどを考え直すきっかけになったと思います。


ニュージーランドでは、これを機に、もう一度ライフワークバランスを考え週4日労働の実現を模索しているようです。

以前の実験(2018)では給与はそのままで週5労働→4労働によって、生産性は向上し、パフォーマンスは影響はなかった、ストレスも7%減少した。

これは同じ地球での話でしょうか?

国民が思ってること、政府が実行してくれるって、憧れるような国ですね。


コロナのいい影響


悪いことだけではありません。環境問題でも新たな発見が沢山ありました。

ヴェネチアでは水質が向上し、

世界の二酸化炭素排出量は17%減少し大気がきれいになりました。

僕にとっても、これらの興味ある話題から発展して色々調べごとをする期間になりました。



出る杭は打たれる文化


そんな中、そもそもこの記事を書き出したきっかけは、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグがツイッター上で大きなムーブメントになったことです。

僕ど同世代のきゃりーぱみゅぱみゅを始め、多くの芸能人が声を挙げたことも後押しとなり、今国会では見送りとなりました。(賭け麻雀の影響もあると思いますが)

これはネットを通して世論が政治に影響を与えた良い経験になると思う。

確かに彼らが発信した情報には、所々誤りがあったかもしれないけど、リスクを背負いながら意見を述べた彼らの勇気にリスペクトしたいと思う。


僕は芸能人や役者、漫画家、ミュージシャン、各分野でのアーティストの方に、是非ともそれぞれのフィールドで「政治的な発言」をして欲しいと思うし、それを受け入れられる、寛容な日本になって欲しいと思う。


そのためには、一人一人の政治や歴史、宗教に対する関心を高めて、討論して、日頃からその話題に対しての敷居を低くする必要がある。

「芸能人のくせに、、」「漫画家のくせに、、、」という野次、誹謗中傷は野鄙滑稽。


アーティストの人たちが言いたいこと、思っていることを表現できない環境から生まれてくるアートやエンターテインメントなんて詰まらないと思う。


国民が普通に政治的な発言をしよう。
彼らの発言を参考にしよう。

もちろん彼らにはファンがいて、それなりに影響力があるため、責任は伴う。が、どの程度勉強したら発言していいかなんて決まりもなく不毛な議論。各々調べて、共有して、知らないことはお持ち寄りで賢くなればいいでしょう。


世界の「政治的発言・行動」、その原動力


そんな中で、丁度と言っては何だが、アメリカで黒人男性が白人警察官によって殺害され、アメリカでデモが起きている。(日本ではどの程度報道されているかわかりせんが)


そしてそれを見てて思うのは、海外のアーティストにとっては、政治的発言は何ら普通のことなんだと思う。


外国人の一般的なイメージとして、日本人と比べると、フランクで、プライベートを重視し、自己主張が強い、自由、、、等々のイメージがあるかも知れない。海外で生活してみて、それはその通り。


国民レベルでもアーティストレベルでも、作品にとどまらず、文化面でも同じで、言いたいことを言わない「公」の顔より、自分がどうあるべきか「私」を大切にしているんだと思う。


バーニーサンダースをRED HOT CHILI PEPPERSが応援していたり、テイラー・スウィフトが大統領を批判したり。


彼らは、自分の職業以前に、アメリカ国民であったり、自身の民族的なアイデンティティ,

政治・歴史的な教養が根付いているんだろう。


ニュージーランドでも、今日デモがあった。


イギリスの植民地から独立した自由の国アメリカ。

アメリカに限らず、

インドの独立であったり


キューバ革命のチェゲバラであったり


2010−12年中東における反政府デモ(アラブの春)であったり。


韓国ではおける日本からの三・一独立運動であったり。


留学してから、韓国人と歴史や慰安婦問題、ホワイト国除外、UNIQLOの不買運動とかについて話すことがあるけど、彼らの興味や知識は一般的な日本人より遥かに深い。偏見性や思い込みは抜きにして、アイデンティティは一般的な日本人より濃いように感じる。


中国に脅かされている台湾人も然り。


香港では国家安全法に対してのデモの真っ只中

彼らは中国によるチベットやウイグルで行われている弾圧を知っていて、彼らにとってはアイデンティティの危機にあるのも原動力の一つだと思う。


要は、どの国でも、既存の支配権力、国家権力による支配構造に対して、反抗したり、おかしいことを指摘してきた、または国が始まった歴史、実績がある。世界最古の日本には、国の成り立ち(古事記や日本書紀など)の教養も低く、日本は日本だったから、それに付随した経験が少ないのも興味が湧きにくい理由の一つだろう、


彼らはそうした中で自分たちの国家を作り、国を運営し、民族性を保ち、アイデンティティを育み続けてきた。子供の頃から、そのような国の成り立ちや現在までの民族的・歴史的・文化的な流れを勉強して培ってきているから、しっかりと意見を持ち発言できるんだろう。


つまり何か語る上では教養は欠かせない。

学校では教えてくれなかった。自分たちで勉強しないと、権力に騙され続ける。


民主主義


現在の日本の間接民主制では、個別の法案や決まり事について、一つ一つに自分たちが関与することはできません。


では、そもそもその民主主義といえど、現在の日本において、この政治システムは民意をしっかりと反映したものになっているのでしょうか?


コロナ対策については、マスクや休業補償、給付金等々、本当に国民が納得した税金の使い道だったでしょうか?


今回は未曾有の事態であったことで多めに見たとしても、アベノミクスの効果はあったのだろうか。そのほかの政策って?


原発って結局どうなってんの?

老後2000万円問題ってどうなったの?

国の借金1000兆円ってどうすんの?

憲法改正の要点って何?

TPPってはじまってたの?

種苗法改正で自家採取ができなくなる?

水道法改正で外資系が参入してきている?


経済や国の運営について、やっぱり正しい知識と世界的な流れを知り議論しよう。

知ってみると、全ては自分の生活に何らかの形で関わっている事が多い。

高度化、多様化した世の中で、すべてのことに対する知識を持つのは無理だけど、だからこそ知らないことを補完し合う必要がある。


知れば興味が湧く(かもしれない)、いくつかの例


  • ①原子力発電

原子力発電はCO2が出ず、環境に優しいと言われて進められてきた。絶対安全と言われながらも2011年の事故、それ以前にもチェルノブイリやスリーマイル島、東海村での事故などがある。

現在の9基の原発が稼働している。


原子力規制委員会のは、世界一厳しい安全基準をクリアした原発だけを稼働しているといいますが、彼らは公に「新基準に適合しているかをチェックしているだけで、安全かどうかを審査するわけではない」と言っているそうです。これって安全なんですか?


ちなみに2011年ー2015年の間だけでも電力会社関連団体には国家公務員のOB少なくとも71人天下りしています。ここにも国家との癒着が有りますね。


そしてこの発電方法は、火力発電より効率が良く画期的ですが、その代償として高レベルに汚染された核燃料のゴミが残ります。

ある物質の半減期が214万年、放射能を出さない状態になるまで何千万年かかるそうです。


現在日本は、その使用済み核燃料のゴミ1万トンを超え、原発の敷地内or青森県の六ヶ所村に仮置きの状態で、どう処理するか決まっていません。処理方法が未来で見つかると思って原発推進していたけど、今のところ見つかっていません。


フィンランドでは、そのゴミを最終処理場として、地下400mに穴を掘り、少なくとも10万年保管できるオンカロという施設を作っています。


この施設でも、原発たった2基分だそうです。日本はどうする?


でも、じゃあ脱原発!と言って火力発電に頼りすぎたら、CO2が増えて温暖化や異常気象につながるかも知れない。電力は経済にも各家庭にも必須。

日本は発電と、石炭火力発電についてどう言っているかというと、小泉進次郎環境大臣の英語での会見では、石炭火力発電をどう減らすか?という質問に対して「Reduce it!」と言い、そのあと「How?」と聞かれ沈黙。

「リスニングの勉強におすすめ」


セクシーにやると言ったのはこの時ですね。

でも2050年までに温室効果ガスを80%まで減らし、再生可能エネルギーの「主電力化」を目指す。という目標がありますが、前述した、コロナほどの規制で、たったの17%しか二酸化炭素排出が減少したことを考えると、いかに大変かがわかりますね。


では、その具体的な再生可能エネルギーは?その予算は?

知らなくても生活できますが、実は予算は電気代から「再生エネルギー賦課金」として徴収されていますよ。

社会保障や所得税と一緒で、気づかず取られているんです。

それにしても、それぞれ関連していて、課題が山積みですね。


②憲法改正

脱線してしまうので簡単に。


憲法とは権力者が守るルールである。

憲法改正のことが話題になるが、論点は何だろう。


元々、GHQ案に日本の意見を加えたものであり、押しつけ憲法とも言う人もいる。論点はいくつかあると思うけど、知っている範囲では、一つは「憲法9条」に、国防軍を明記するかどうかと言うこと。


日本国憲法では、日本は戦力を保持しないとかかれているけど、自衛隊はもはや軍に匹敵する戦力を持っているのではという意見。

防衛省の公式HPでは、戦力ではなく「必要最低限度の実力(戦力・武力ではなく)」と言っています。もはや屁理屈のような言葉遊びですが、憲法の上、これが認められていると解釈しています。


確かに、自衛隊のような組織は、僕は必要だと思います。核兵器を持つかどうかの意見も分かれるところでしょう。古い憲法を使っているのは事実なので、時代の理念にあった憲法を作ってもいいと思いますが、自民党憲法改正草案を鵜呑みにするのは危険です。


また、2015年頃話題になった集団的自衛権(友達の敵は自分の敵)についても、憲法を変えることなく、内閣法制局(法律が憲法に則っているか判断する局)のトップを、集団的自衛権OKって言っている人にTOPを内閣の権限で入れ替えて、強行採決して、解釈の変更でOKにしてしまった。


そして内閣で集団的自衛権あり!と決めた公文書は無い!というのが政府の回答(無くなったのか、作ってないのか)。


集団的自衛権について、賛成反対はそれぞれの意見だけど、この手法は如何なものでしょう。


そして、当時、朝日新聞のアンケートでは、この安保法案に賛成した人は30%、反対派51%、国会で議論が尽くされていないという意見が75%、国民の理解を得る努力をしていないという意見が74%。

果たして、民意って何?


96条を改正し、憲法を変えやすくしようと企んだこともありました。仲良しにそれは裏口入学のようなものだと反対され頓挫しましたが。


そして緊急事態宣言について。
緊急時に内閣に権利を集約させること。一見聞こえがいいけど、国会の承認なく内閣が法律に匹敵する案件を作れるって、それってなんか危険そうではないですか?これを歴史的に悪用した有名な人物はヒトラー。

あんな独裁国家になるとは思わないけど、それになろうとすればなれる憲法を作ろうとしてる人たち、大丈夫?検察庁法の人事に関与しませんと言いつつ、法的にはできるようにしている手法と同じに見えますが。

まとめ

少し長くなってしまいました。


ニュージーランドでは、日本よりゆるく生活している人が多くて、ホームステイ先の家も庭もめちゃくちゃ広くて、ライフワークバランスを大切にしています。担任の先生も明日から9週間、休みをとるって言っていました。


芋づる式で経済や株のことについて勉強もしたりして、たくさんのことを知った。法人税を減らして減った税収分は、消費税で増えた増収分でカバーされているらしい。


お金の仕組みや金利や国債、国の資産について知らない事だらけだなと思った。
でも結局、株価はアベノミクスで上がって大企業や投資家は儲けたけど、それは国民に還元されたの?


出回るお金を増やしてインフレを狙ったけど、結局市場に回らず、企業の内部留保は歴代最高らしいです。つまり、企業はバブル以上に儲けているってことですよ。

日本はいい国です。もし仮に、日本政府が本気で国民のことを考えているとして、経済だけに眼を向け、プライマリーバランス!財政健全化!経済自由化!といい、外国に土地や種、水道の運営権利などを売却し出したらどうなるでしょう?


彼らが思い描くよう、日本は今より良くなるのでしょうか?


それを見守るのではなく、監視するのが国民の務めと言うことです。

アメリカのように暴徒化するようなデモは不要です。


1960年の安保闘争のように、過激なデモは人や世界を変えられません。

あれは逆に、政治に関して「なんか怖い」という先入観をもたせてしまったと思う。(あの時のパワフルさは尊敬しますが)


今回SNSを通して、コロナウイルスでの自粛期間も手伝って、国民の多くが政治や歴史に関心を持ったのはとても素晴らしいことだと思う。


自分がよく聴く音楽のHipHopやReggaeは元々、反体制的な起源がある音楽で、言いたい事言いまくり、やりたいことやりまくりの人達だから、政治的発言もよくしているし、それが文化になっているけど、それが芸能人じゃアーティスト、国民レベルでスタンダードになっていけば、少しずつ国は変わると思う。


選挙での甘い言葉に騙されないように、しっかりと運営しているのか、約束(マニュフェスト=公約)を守っているのか、隠し事をしていないかを監視をしていく事。


聞こえは悪いですが、“監視“

これが現在の民主主義では欠かせません。


まだ政治システムは完璧ではありません。

数千年かけて、人類が色々な政治体系を試してきたにも拘らずです。


ウィンストン・チャーチルは

Indeed it has been said that democracy is the worst form of Government except for all those other forms that have been tried from time to time.

(民主主義は最悪、それ以前の政治体制を除けば。)

と言っています。つまりまだ発展途上。


今回のように、きっちり彼らが仕事しているかを監視して意見を交換しあう事。SNSでもいい、直接的で平和的なデモでもいい。調子に乗るなよ?イザとなったら声をあげるてやるぞ。っていう意気込み。


政治家はなるべく国民に興味を持たせず、組織票を狙います。
とりあえず見送って、隙をついて法案を通します。
消費税延期も、ただの選挙前の媚売り。
彼らにとって、社会保障費云々より、選挙でいかに票を得るかであり、国民のことは二の次なのでしょう。彼らはお金持ってますしね。それに乗せられない賢い国民になりましょう。

そして、この動きを必ず投票率に結びつけよう。

結局、投票率低かったら、ネット上のの声なんて無視され続ける。

また年寄り大企業、組織、上級国民に有利な政策が取られる。

正しい知識と監視、共有。


映画で見るようなコッテコテの悪役政治家が、本当にいるんだよね。多分。


終わりに


アメリカの白人警官による黒人の殺害に関して、Twitter社は自身のアカウントのロゴをブラックにしたり、Netflixは「To be silent is to be complicit(沈黙は共犯だ)」と呟き、#BlackLivesMatter のハッシュタグがトレンドです。


中でも、Nikeのツイートが格好よかったので、最後にシェアします。


For once, Don't Do It.(もうやめよう)

Don't pretend there's not a problem in America.(アメリカには問題がないと偽るのは止めよう)

Don't turn your back on racism.(人種差別に背を向けるのは止めよう)

Don't accept innocent lives being taken from us.(罪のない人たちの命が奪われることを甘受するのは止めよう)

Don't make any more excuses.(言い訳するのももう止めよう)

Don't think this doesn't affect you.(この問題は自分には影響がないと考えるもの止めよう)

Don't sit back and be silent.(傍観して、黙っているのは止めよう)

Don't think you can't be part of the change.(世の中を変える一員になれないと思うのも止めよう)

Let's all be part of the change.(皆で世の中を変えていこう)

毎度の如く、感想やご意見は喜んで受け付けます。是非連絡ください!

ではまたどこかで。

2020/06/01 オークランド


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1コメント

  • 1000 / 1000

  • テツたろう

    2020.06.01 12:35

    世の中のことに関心持つことって大事だよね 体に気をつけて

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2024/6月現在 山梨にいます。たまに東京、長野